相続税の申告期限は「相続が発生してから10カ月以内」
ですが、名義変更の期限は決まっていません。
では、どのタイミングで名義変更をすればいいのでしょう。
損はしたくないし、失敗したくない。
★名義変更をするのは、財産全体の遺産相続協議&協議書作成が終わってから。
相続発生後のスケジュール
四十九日終わったら、財産・債務に関する資料集めをします
死亡日から申告・納税期限は10カ月以内なので、急いで手続きを進める必要があります。
基礎控除を超えている可能性がある場合は、専門家のサポートを受けましょう。
【遺言書】があっても、それが全ての財産とは限らないので、遺言書の有無にかかわらず書類集めをしましょう。
専門家:1~3か月が目途
自分で書類集め:2~5か月が目途
財産目録の作成
・自分で作成してもOK
・相続専門の税理士に依頼する
不動産などの評価は専門性が高いので、自分で作成すると「税金を納めすぎるリスク」「税務調査の対象」となってしまうリスクがあります。
預金や有価証券の評価額
・これは比較的簡単に把握できる
故人の金融口座・証券口座へ出向き、死亡日の残高証明を取得する
不動産の評価額(概算)は、路線価や倍率地域などさまざまな条件があります。
【相続放棄したい場合】
家庭裁判所で3か月以内に申告が必要になる
【死亡した年に収入がある】
死亡日から4か月以内に確定申告をする
【遺産分割協議をする】
・遺言書どおりに分割する
・遺産分割協議で分割を決める
例えば、遺言書に記載のない内容は、遺産協議をします
遺言書があっても、相続人全員で遺産分割協議をして分割します。
【協議がまとまったら】
・遺産分割協議書を作成(相続人全員の署名・実印)
・印鑑登録証明書
【相続税がかかる場合】
・遺産分割協議書
・申告書と併せて提出・納税をする
【相続税がかからない場合】
内容に合わせて遺産を分割する。
★相続税がかからなくても遺産分割協議書を作っておいた方が良い
★相続税がかからなくても申請をした方が良い場合があります
相続した財産の名義変更のタイミング
★名義変更をするのは、財産全体の遺産相続協議&協議書作成が終わってから。
死亡日の10日後から、名義変更はできます
この理由は、死亡届提出から1週間~10日間で「戸籍(除籍)謄本」ができる
被相続人の死亡事実が記載される
相続人全員で遺産分割協議
遺産分割協議書作成(署名・捺印)+各相続人の印鑑登録証明書を添付
各期間ごとに、その他の必要書類があります
各期間で名義変更と手続きができる
※すべての財産を書いた遺産分割協議書でなくても
個別の財産を書いた遺産分割協議書を作成することも可能
誤【少しでも早く手続きをした方が自分のものになるからお得?】
★名義変更をするのは、財産全体の遺産相続協議&協議書作成が終わってから。
相続税の計算時に家族全体の相続額が大幅に増えるなどのリスクがあります。
【ケース1】
特定の財産のみ先に名義変更をしたことで、小規模宅地等の特例が使えなくなった
相続税がかからないと思っていたが、後から財産がでてきて相続税がかかることになったとする。その場合、特例の条件を満たせなくなる。
小規模宅地等の特例
・配偶者
・故人と同居していた相続人
・家ない相続人
【ケース2】
自宅の不動産の相続登記済み(名義変更)後に、他の相続人に一部の不動産を渡すことになった場合、贈与税がかかる
3000万円の不動産の500万円分を他の相続人に渡す場合
・贈与税:52万円
・登録免許税:固定資産税評価額×2%
・不動産取得税:固定資産税評価額×3%
無駄な贈与税が発生しないためには、すべての財産を把握した後に遺産分割協議書を作ることで防ぎましょう。
【先に】名義変更してもアリな場合
納税資金に困っている場合で、不動産の購入者が現れたときは検討する必要があります。
不動産の売却が「容易」かどうかも判断材料になります。
小規模宅地の特例が使えない場合で、遺産分割協議書で相続人全員で同意をしているなら、相続税を支払うために売却するのも良いでしょう。
※名義変更を早くしてしまった後に多額の借金がでてきても「相続放棄」できない
まとめ
★名義変更をするのは、財産全体の遺産相続協議&協議書作成が終わってから。